【Flutter】DataTableでインタラクティブな表を作る方法

対象者

  • Flutterを使用してアプリを開発しているか、またはこれから開発しようとしている人
  • データの表示や管理を効果的に行いたいと考えている人
  • データテーブルの使用方法を基本から高度なレベルまで理解したいと望んでいる人

はじめに

もしあなたがデータの管理や表示に悩んでいたら、その解決策はFlutterの「DataTable」にあります。その使用方法を初級から上級レベルまで詳しく教えるのがこの記事の目的です。

私たちはFlutterのDataTableの一般的な説明から始め、その主要な構成要素を解説します。その後、基本的な使用方法、すなわちDataColumn, DataRow, DataCellの作成方法や、データの動的な変更方法などを説明します。

更に一歩踏み込んだ応用方法を探る中で、データセル内にイメージやボタンを追加する方法、ユーザーアクションに対応したセルデータの動的変更方法など、DataTableをよりインタラクティブにする方法をご紹介します。

そして、最後には、高度な使用方法を解説します。具体的には、FlutterのDataTableをさらに拡張するためパッケージを紹介します。

この記事を読み終わったとき、あなたはFlutterのDataTableを最大限に活用するためのアドバイスを手に入れています。データテーブルのパフォーマンスと効率性を向上させるためのアドバイス、そしてFlutterアプリケーションでのDataTableの最適な使用方法を学び、あなたのアプリは確実に次のレベルに進むでしょう。

DataTableについて

データの整理や可視化には、しばしば表形式のデータが使用されます。そのため、どのようなフレームワークでもテーブルの扱いは基本中の基本です。Flutterでも例外ではなく、その目的のためにDataTableというウィジェットが提供されています。その概要と主要な構成要素について解説します。

DataTableの一般的な説明

DataTableは、FlutterのMaterial Designに基づいたデータテーブルを提供するウィジェットです。このテーブルは行と列の形式でデータを表示し、データの可視化と操作を容易にします。

ただし、DataTableの使用には注意が必要です。なぜなら、データテーブルのレイアウトはコストがかかるからです。すべてのデータは二度計測されます。一度目は各列の寸法を交渉するため、二度目は交渉の結果に基づいてテーブルを実際にレイアウトするためです[参考]。

DataTableの主要な構成要素

DataTableは主に以下の三つの子ウィジェットから構成されます: DataColumn, DataRow, DataCell。

  • DataColumn: 列のヘッダーを定義します。それぞれのDataColumnにはラベルプロパティがあり、これは通常テキストウィジェットです。

  • DataRow: 行を定義します。それぞれのDataRowにはいくつかのDataCellが含まれます。

  • DataCell: データテーブルの最小単位で、それぞれのセルが一つのデータを表示します。DataCellにはどんなウィジェットでも配置できます。テキストだけでなく、イメージやボタンなども配置可能です。

DataTableの基本的な使用方法

FlutterのDataTableを効果的に利用するためには、まずその基本的な使用方法を把握することが重要です。ここでは、DataColumn、DataRow、DataCellの作成方法と、データの動的な変更方法について解説します。

DataColumn, DataRow, DataCellの作成

DataTableの基本的な使用方法を理解するためには、その構成要素であるDataColumn、DataRow、DataCellの作成が最初のステップとなります。以下に簡単な実例を示します。

DataTable(
  columns: const <DataColumn>[
    DataColumn(
      label: Text('Name'),
    ),
    DataColumn(
      label: Text('Age'),
    ),
  ],
  rows: const <DataRow>[
    DataRow(
      cells: <DataCell>[
        DataCell(Text('John')),
        DataCell(Text('30')),
      ],
    ),
    DataRow(
      cells: <DataCell>[
        DataCell(Text('Alice')),
        DataCell(Text('25')),
      ],
    ),
  ],
);

この例では、’Name’と’Age’という2つの列を持つテーブルを作成しました。その後で2行のデータ(‘John’, ’30’)および(‘Alice’, ’25’)を加えています。このように、DataColumn、DataRow、DataCellを使ってDataTableの基本的な構造を作り上げることができます。

データの動的変更: チェックボックスや編集モードの導入

データの動的変更は、ユーザーがアプリケーションと対話する際のキーとなる機能です。チェックボックスの導入や編集モードの設定などを通じて、よりインタラクティブなDataTableを作り出すことができます。

以下に、チェックボックスを導入したDataTableの例を示します。

DataTable(
  columns: const <DataColumn>[
    DataColumn(
      label: Text('Selected'),
    ),
    DataColumn(
      label: Text('Name'),
    ),
    DataColumn(
      label: Text('Age'),
    ),
  ],
  rows: <DataRow>[
    DataRow(
      selected: true,
      cells: <DataCell>[
        DataCell(Checkbox(value: true, onChanged: null)),
        DataCell(Text('John')),
        DataCell(Text('30')),
      ],
    ),
    DataRow(
      selected: false,
      cells: <DataCell>[
        DataCell(Checkbox(value: false, onChanged: null)),
        DataCell(Text('Alice')),
        DataCell(Text('25')),
      ],
    ),
  ],
);

この例では、DataTableに新たな列を追加し、その列には各行の選択状態を示すチェックボックスを置きました。こうした工夫により、ユーザーは各行のデータを容易に選択・編集することができます

応用: データテーブルをよりインタラクティブにする

さらに応用的な使い方として、FlutterのDataTableに画像やボタンを追加し、ユーザーアクションに対応したセルデータの動的変更を行うことで、一層インタラクティブな体験をユーザーに提供できます。

データセル内にイメージやボタンを追加

DataTable内に画像やボタンを追加することで、見た目のバリエーションを増やし、またユーザーとのインタラクションを深めることができます。以下に、DataCellにボタンを追加した例を示します。

DataTable(
  columns: const <DataColumn>[
    DataColumn(
      label: Text('Name'),
    ),
    DataColumn(
      label: Text('Age'),
    ),
    DataColumn(
      label: Text('Actions'),
    ),
  ],
  rows: <DataRow>[
    DataRow(
      cells: <DataCell>[
        DataCell(Text('John')),
        DataCell(Text('30')),
        DataCell(
          IconButton(
            icon: Icon(Icons.edit),
            onPressed: () {
              // Handle edit action
            },
          ),
        ),
      ],
    ),
    DataRow(
      cells: <DataCell>[
        DataCell(Text('Alice')),
        DataCell(Text('25')),
        DataCell(
          IconButton(
            icon: Icon(Icons.delete),
            onPressed: () {
              // Handle delete action
            },
          ),
        ),
      ],
    ),
  ],
);

この例では、DataTableの各行に編集と削除のためのアイコンボタンを追加しました。これにより、ユーザーは各行のデータを直接編集したり、削除したりすることができます。

ユーザーアクションに対応したセルデータの動的変更

FlutterのDataTableは、動的な変更に対応可能な強力なウィジェットです。その力を最大限に引き出すためには、ユーザーアクションに応じてセルのデータを動的に変更することができると、よりインタラクティブな体験をユーザーに提供できます。

なぜそうだと言えるのでしょうか?これはユーザーアクションと反応性がアプリのエンゲージメントを大きく左右するためです。Statistaによると、ユーザーエンゲージメントが高いアプリはユーザーが長期間利用し続け、アプリの成功に大きく寄与すると報告されています。動的なデータテーブルは、このエンゲージメントを向上させる一つの手段となり得ます。

具体的にどのように実装するのでしょうか。例えば、DataTableの各セルをタップ可能にし、そのタップアクションに応じてセルの内容を変更するという方法が考えられます。以下に簡単なサンプルコードを示します:

final selectedIndex = <int>{};

DataTable(
  dataRowColor: MaterialStateProperty.resolveWith<Color>(
      (Set<MaterialState> states) {
        if (states.contains(MaterialState.selected))
      	return Theme.of(context).colorScheme.primary.withOpacity(0.08);
        return Colors.transparent;
  }),
  columns: const <DataColumn>[
        DataColumn(
      	label: Text(
            'Name',
            style: TextStyle(fontStyle: FontStyle.italic),
      	),
        ),
        DataColumn(
      	label: Text(
            'Age',
            style: TextStyle(fontStyle: FontStyle.italic),
      	),
        ),
  ],
  rows: List<DataRow>.generate(
        100,
        (index) => DataRow(
      	selected: selectedIndex.contains(index),
      	onSelectChanged: (value) {
            setState(() {
          	if (value == true) {
                selectedIndex.add(index);
          	} else {
                selectedIndex.remove(index);
          	}
            });
      	},
      	cells: <DataCell>[
            DataCell(Text('User ${index + 1}')),
            DataCell(Text('${index + 1}')),
      ],
        ),
  ),
)

このコードでは、ユーザがセルをタップすると、そのセルが選択状態になるようになっています。セルの選択状態に応じて、色を変えるなどの反応を実装することで、ユーザーアクションに応じた動的な変更を実現できます。

これらの要素を踏まえ、結論としてFlutterのDataTableは、ユーザーのインタラクションに対応することで、アプリケーション全体の

高度な使用方法: FlutterのDataTableをさらに拡張する

FlutterのDataTableを最大限に活用するには、既存のパッケージを利用して拡張することが有効な手段となります。以下では、data_table_2パッケージとadvanced_datatableパッケージについて解説します。

data_table_2パッケージの使用方法と機能

data_table_2は、Flutterの基本的なDataTableを拡張するパッケージです。特にソート、フィルタリング、ページネーションなどの高度な機能を容易に導入することが可能です。

advanced_datatableパッケージの使用方法と機能

advanced_datatableパッケージは、大量のデータを効率的に処理するためのパッケージで、遅延ロードやカスタムソートの機能を提供しています。

DataTableを最大限に活用するためのアドバイス

最後に、FlutterのDataTableを最大限に活用するためのアドバイスをまとめていきます。特にパフォーマンスの向上や効率的な使用方法に焦点を当てて解説します。

データテーブルのパフォーマンスと効率性の向上

FlutterのDataTableを使用する際、パフォーマンスと効率性は重要な観点です。特に大量のデータを扱う場合、適切なデータ処理と表示が求められます。

パフォーマンスを最大限に引き出すための基本的なアドバイスは、必要なデータだけを取得し、それを表示するというものです。ListView.builderDataTableDataRow など、遅延ローディング(Lazy loading)を実装するウィジェットを活用することで、アプリケーションのパフォーマンスを改善することができます。

また、大量のデータを扱う場合、ページネーションやインフィニットスクロールを導入すると良いでしょう。これにより、一度に全てのデータを読み込む必要がなく、ユーザーが必要とするデータだけを取得して表示することが可能になります。

FlutterアプリケーションでのDataTableの最適な使用方法

DataTableの利用法は多岐にわたりますが、以下に最適な使用方法についてのアドバイスをいくつか示します。

  1. 可読性と使いやすさ: DataTableは情報を整理し、ユーザーが簡単に理解できるようにするためのツールです。したがって、セルの数や内容、行と列の設計は、目的に応じて最適化することが重要です。

  2. 拡張性: DataTableの拡張性を利用し、各セルにカスタムウィジェット(ボタンや画像など)を追加することで、よりインタラクティブな表を作成することができます。

  3. 動的なデータの更新: ユーザーのアクションに応じてセルデータを動的に変更する機能を実装することで、ユーザー体験を向上させることができます。

  4. 外部パッケージの活用: data_table_2advanced_datatableなどの外部パッケージを活用することもできます。

Q&A

Q1: FlutterのDataTableは何に使われますか?

A1: FlutterのDataTableは、大量のデータを整理し、表示するのに最適なウィジェットです。たとえば、商品リストやユーザー情報といった情報を一覧表として表示する際に用いられます。

Q2: データテーブル内でデータの動的な変更はどのように行われますか?

A2: DataTable内のデータは、チェックボックスの追加や編集モードの導入によって動的に変更可能です。これにより、ユーザーが直接データを操作して変更することが可能になります。

Q3: FlutterのDataTableのパフォーマンスを向上させるためのアドバイスは何ですか?

A3: パフォーマンスを向上させるためには、適切なパッケージの選択と使用が重要です。data_table_2パッケージやadvanced_datatableパッケージのようなパッケージは、カスタマイズ可能性と柔軟性を提供し、大量のデータを効率的に処理する能力を向上させます。

まとめ

FlutterのDataTableは、大量のデータを整理し、表示するのに最適なウィジェットであり、その基本的な構成要素は、DataColumn、DataRow、DataCellから成り立っていることを学びました。これらの要素を理解することで、データの生成、編集、そして表示が可能になります。

DataTableの使い方をさらに深く探求した結果、チェックボックスの追加や編集モードの導入といった動的なデータ変更が可能であることが理解しました。さらに、よりユーザーフレンドリーなインタラクティブな表を作るために、データセル内にイメージやボタンを追加する方法も学びました。

次に、FlutterのDataTableをさらに拡張するためのパッケージ、具体的には、data_table_2パッケージとadvanced_datatableパッケージを紹介しました。これにより、Flutterでのデータ表のカスタマイズ可能性と柔軟性が大いに広がります。

最後に、DataTableを最大限に活用するためのアドバイスについて学びました。これにより、データテーブルのパフォーマンスと効率性を向上させる方法と、FlutterアプリケーションでのDataTableの最適な使用方法について理解しました。

参考

ソース(main.dartにコピペして動作確認用)

import 'package:flutter/material.dart';

void main() {
  runApp(const MyApp());
}

class MyApp extends StatelessWidget {
  const MyApp({Key? key}) : super(key: key);

  @override
  Widget build(BuildContext context) {
    return MaterialApp(
      title: 'Flutter Demo',
      theme: ThemeData(
        primarySwatch: Colors.blue,
      ),
      home: const MyHomePage(title: 'Flutter Demo Home Page'),
    );
  }
}

class MyHomePage extends StatefulWidget {
  const MyHomePage({Key? key, required this.title}) : super(key: key);

  final String title;

  @override
  State<MyHomePage> createState() => _MyHomePageState();
}

class _MyHomePageState extends State<MyHomePage> {
  final selectedIndex = <int>{};

  @override
  Widget build(BuildContext context) {
    return Scaffold(
      appBar: AppBar(
        title: Text(widget.title),
      ),
      body: Center(
        child: DataTable(
          dataRowColor: MaterialStateProperty.resolveWith<Color>(
              (Set<MaterialState> states) {
            if (states.contains(MaterialState.selected))
              return Theme.of(context).colorScheme.primary.withOpacity(0.08);
            return Colors.transparent;
          }),
          columns: const <DataColumn>[
            DataColumn(
              label: Text(
                'Name',
                style: TextStyle(fontStyle: FontStyle.italic),
              ),
            ),
            DataColumn(
              label: Text(
                'Age',
                style: TextStyle(fontStyle: FontStyle.italic),
              ),
            ),
          ],
          rows: List<DataRow>.generate(
            100,
            (index) => DataRow(
              selected: selectedIndex.contains(index),
              onSelectChanged: (value) {
                setState(() {
                  if (value == true) {
                    selectedIndex.add(index);
                  } else {
                    selectedIndex.remove(index);
                  }
                });
              },
              cells: <DataCell>[
                DataCell(Text('User ${index + 1}')),
                DataCell(Text('${index + 1}')),
              ],
            ),
          ),
        ),
      ),
    );
  }
}