【Flutter】選択肢に役立つDropdownMenu

  • 2024年3月12日
  • 2024年4月2日
  • Widget

対象者

  • Flutterに興味があり、基本的な使い方や開発スキルを学びたい方
  • クロスプラットフォーム開発の可能性を探求し、キャリアの幅を広げたいソフトウェアエンジニア
  • 開発プロセス中に遭遇する可能性のあるエラーや問題に対処する方法を探している方

はじめに

Flutterを学び始めたばかりのあなたは、UIの重要な要素であるドロップダウンメニューの実装に直面しているかもしれません。

DropdownMenuは「ユーザーが複数の選択肢から一つを選ぶためのウィジェット」です。そのため、ユーザーインターフェイスにおいて選択肢を効率的かつ視覚的に提示することができます。
ドロップダウンリストやコンボボックスなどとも呼ばれているUI部品です。
実際のアプリとしては、「ユーザーのプロフィール設定」で「国籍を選択する」や「アンケートで回答を選ぶ」といったケースに、ユーザーが簡単に選択できるような機能を実現することができます。

この記事では、DropdownMenuの基本から実装例、注意点など、FlutterでのDropdownMenuの効果的な使用方法を解説しています。初心者から中級者のFlutter開発者が直面するであろう疑問や課題に対して、具体的で実践的な解決策を提供します。

DropdownMenuは、Flutterで提供されているウィジェットの一つで、ユーザーが複数のオプションから一つを選択できるドロップダウンメニューを実装するために使用されます。このウィジェットは、ユーザーインターフェースの選択肢を提供する際に、スペースを効率的に使用することができるため、特にオプションのリストが長い場合に有効です。

基本的な使い方

DropdownMenuの基本的な使い方は、DropdownMenuウィジェットを使用して、選択可能なアイテムのリストを表示することです。各アイテムはDropdownMenuEntryオブジェクトとして定義され、ユーザーがアイテムを選択すると、その値がテキストフィールドに表示されるようになります。このプロセスは、ユーザーが直感的に理解しやすいUIを作成するのに役立ちます。

DropdownMenuEntryは、DropdownMenu内でユーザーが選択できる各オプションを表します。各エントリはvaluelabelの二つの主要なプロパティを持っています。labelはドロップダウンメニューに表示されるテキストであり、valueは選択されたときに使用される実際のデータです。この設計により、開発者は表示データと内部的に使用されるデータを簡単に区別でき、より柔軟なデータハンドリングを実現できます。

コンストラクタの引数

DropdownMenuを使用する際には、その挙動や表示をカスタマイズするためにいくつかの引数をコンストラクタに渡すことができます。主な引数には、表示するメニューアイテムのリスト、初期選択値、ドロップダウンメニューのスタイルを定義するためのテーマデータなどがあります。これらの引数を適切に設定することで、アプリケーションのニーズに合わせたドロップダウンメニューを簡単に実装できます。

必須のコールバック:onSelected

DropdownMenuでは、ユーザーがメニューアイテムを選択したときの動作を定義するためにonSelectedコールバックが必須です。このコールバック関数は、選択されたメニューアイテムの値を引数として受け取り、その値に基づいて何らかのアクションを実行します。例えば、ユーザーが選択した値をアプリケーションの状態に保存したり、別のウィジェットの表示を更新したりすることができます。

メニューアイテムのカスタマイズ

DropdownMenuのメニューアイテムは、DropdownMenuEntryオブジェクトを通じてカスタマイズすることができます。各エントリはvaluelabelを持ち、さらにアイコンやカスタムウィジェットを含めることも可能です。これにより、単純なテキストリストだけでなく、より複雑で視覚的に魅力的なメニューオプションを提供することができます。また、DropdownMenuの外観や挙動を細かく調整するためのスタイルやプロパティも豊富に用意されており、アプリケーションのブランドやデザインガイドラインに合わせたカスタマイズが可能です。

検索機能の活用

DropdownMenuの検索機能は、オプションのリストが長い場合に特に有用です。ユーザーがメニューを開いたときに表示される検索バーを通じて、特定の項目を迅速に見つけることができます。この機能はデフォルトで有効になっていることが多いですが、必要に応じて無効化することも可能です。検索機能を活用することで、ユーザーエクスペリエンスを大幅に向上させることができます。

フィルタリング機能

フィルタリング機能は、検索機能と密接に関連しています。ユーザーが検索バーに入力したテキストに基づいて、リスト内の項目を動的にフィルタリングします。これにより、関連性の低いオプションを非表示にし、ユーザーが目的の項目をより簡単に見つけられるようになります。フィルタリング機能は、ユーザーが大量のデータから選択を行う必要がある場合に特に役立ちます。

スタイリングとアクセシビリティ

DropdownMenuの外観は、Flutterのテーマシステムを通じてカスタマイズすることができます。これにより、アプリケーションのブランドイメージに合わせたデザインを実現することが可能です。また、アクセシビリティにも配慮されており、視覚的なカスタマイズだけでなく、スクリーンリーダーのサポートやキーボードナビゲーションの最適化など、すべてのユーザーがアクセスしやすいUIを設計するための機能が提供されています。スタイリングとアクセシビリティの両方に注意を払うことで、より幅広いユーザーに受け入れられるアプリケーションを作成することができます。

シンプルなドロップダウンメニュー

シンプルなドロップダウンメニューの実装は、Flutterアプリケーションにおいて基本的な選択肢の提供方法の一つです。基本的なDropdownMenuウィジェットを使用し、DropdownMenuEntryオブジェクトのリストをitemsプロパティに渡すことで、簡単に実装できます。各エントリは、ユーザーが選択できる値(value)と、その選択肢を表すラベル(label)を持っています。このタイプのドロップダウンメニューは、オプションが限られている場合や、UIをシンプルに保ちたい場合に適しています。
requestFocusOnTap: falseと設定することで、キーボードが表示されず、フィルター機能などがないシンプルなドロップダウンメニューとなります。

検索可能なドロップダウンメニュー

検索可能なドロップダウンメニューは、オプションのリストが長い場合に特に有用です。ユーザーがメニューを開いた際に、検索バーが表示され、特定の項目を迅速に見つけることができます。この機能を実装するには、DropdownMenuウィジェットのenableSearchプロパティをtrueに設定します。これにより、ユーザー体験が向上し、ユーザーが求めるオプションをより簡単に見つけることができます。

スタイルカスタマイズ例

DropdownMenuの外観をカスタマイズすることで、アプリケーションのブランドイメージに合わせたUIを実現することができます。例えば、DropdownMenuウィジェットのstyleプロパティを使用して、テキストスタイルをカスタマイズしたり、decorationプロパティを使用して背景色やボーダーを変更したりすることができます。また、DropdownMenuEntryにアイコンやカスタムウィジェットを追加することで、より視覚的に魅力的なメニューオプションを提供することも可能です。これらのカスタマイズにより、アプリケーションのユーザーインターフェースをより一層引き立てることができます。

よくあるエラーとその対処法

DropdownMenuの実装中に遭遇する可能性のある一般的なエラーには、未選択のデフォルト値の扱い、不適切なウィジェットの更新、およびアクセシビリティの問題があります。これらの問題に対処するには、以下のガイドラインに従ってください:

  • 未選択のデフォルト値の扱い:DropdownMenuには、ユーザーがまだ選択を行っていない場合に表示するデフォルトの項目を設定することが重要です。これにより、ユーザーが意図しない値を選択することを防ぎます。
  • 不適切なウィジェットの更新:FlutterのStatefulWidgetを使用している場合、選択された値が変更されたときにウィジェットが適切に更新されるようにすることが重要です。これは、setStateメソッドを適切に使用することで達成できます。
  • アクセシビリティの問題:すべてのユーザーがDropdownMenuを簡単に使用できるように、適切なアクセシビリティサポートを提供することが重要です。これには、スクリーンリーダーのサポートやキーボードナビゲーションの最適化が含まれます。

Q&A

Q1: DropdownMenuとは何ですか?

A1: DropdownMenuは、Flutterで提供されているウィジェットの一つで、ユーザーが複数のオプションから一つを選択できるドロップダウンメニューを実装するために使用されます。

Q2: DropdownMenuで検索機能を無効にする方法は?

A2: DropdownMenuの検索機能を無効にするには、DropdownMenuウィジェットのenableSearchプロパティをfalseに設定します。

Q3: DropdownMenuのカスタマイズ方法にはどのようなものがありますか?

A3: DropdownMenuのメニューアイテムは、DropdownMenuEntryオブジェクトを通じてカスタマイズ可能です。アイコンやカスタムウィジェットを追加することで、視覚的に魅力的なメニューオプションを提供することができます。また、ウィジェットのスタイルやプロパティを調整することで、外観をカスタマイズすることも可能です。

Q4: DropdownButtonとの違いは何ですか

DropdownMenuを使用すると、検索内容に応じてリストを絞り込むことができます。ユーザーが単語を入力できるテキストフィールドが付属しており、ユーザーが入力した内容に応じてメニューがフィルタリングされます。
デフォルトのUIもイケてる気がする(個人的な意見)。

Q5: 初期値はどうやって設定しますか

DropdownMenu(initialSelection:初期値)

Q6: 大きさはどうやって変えますか

以下でできた。

DropdownMenu(
	width: 96,
	inputDecorationTheme: InputDecorationTheme(
	  isDense: true,
	  contentPadding:
	      const EdgeInsets.symmetric(horizontal: 8),
	  constraints:
	      BoxConstraints.tight(const Size.fromHeight(40)),
	  border: OutlineInputBorder(
	    borderRadius: BorderRadius.circular(8),
	  ),
	),
),

まとめ

DropdownMenuの基本から高度な機能、実装例、さらには注意点とトラブルシューティングまで、幅広く勉強しました。DropdownMenuとそのエントリの役割、カスタマイズ方法、検索やフィルタリングの活用、スタイリングの技術に至るまで、理解を深めました。また、検索機能の無効化やフィルタリング機能の有効化など、具体的なエラー対処法も学びました。これにより、FlutterでのDropdownMenuの効果的な使用方法を習得し、より良いユーザーインターフェースを設計するための知識が豊富になりました。

参考

ソース(main.dartにコピペして動作確認用)

このFlutterコードは、DropdownMenuウィジェットを使用してユーザーがオプションを選択できるようにする方法を示しています。DropdownMenuは、ユーザーインターフェースにおいて選択肢から選ぶ際に役立つウィジェットです。この例では、OptionLabelというenumを定義しており、これを使ってドロップダウンメニューの各項目を表しています。

import 'package:flutter/material.dart';

void main() {
  runApp(const MyApp());
}

// Define an enum for your options if you like, similar to the ColorLabel and IconLabel enums
enum OptionLabel {
  option1('Option 1'),
  option2('Option 2'),
  option3('Option 3'),
  option4('tion'),
  option5('o'),
  optionError('error');

  const OptionLabel(this.label);
  final String label;
}

class MyApp extends StatefulWidget {
  const MyApp({super.key});

  @override
  State<MyApp> createState() => _MyAppState();
}

class _MyAppState extends State<MyApp> {
  OptionLabel? selectedOption1;
  OptionLabel? selectedOption2;

  @override
  Widget build(BuildContext context) {
    return MaterialApp(
      home: Scaffold(
        appBar: AppBar(
          title: const Text('Flutter DropdownMenu Sample'),
        ),
        body: Center(
          child: Column(
            mainAxisAlignment: MainAxisAlignment.center,
            children: <Widget>[
              const Text('Select an option:'),
              DropdownMenu<OptionLabel>(
                requestFocusOnTap: true,
                enableSearch: true,
                enableFilter: true,
                label: const Text('Options'),
                onSelected: (OptionLabel? option) {
                  setState(() {
                    selectedOption1 = option;
                  });
                },
                dropdownMenuEntries: OptionLabel.values
                    .map<DropdownMenuEntry<OptionLabel>>((OptionLabel option) {
                  return DropdownMenuEntry<OptionLabel>(
                    value: option,
                    label: option.label,
                    // Customize the style as needed
                    style: MenuItemButton.styleFrom(
                      foregroundColor: Colors.deepPurple,
                    ),
                  );
                }).toList(),
              ),
              if (selectedOption1 != null)
                Text('You selected: ${selectedOption1?.label}')
              else
                const Text('No option selected.'),
              const SizedBox(height: 32),
              const Text('Select an option:'),
              DropdownMenu<OptionLabel>(
                requestFocusOnTap: false,
                enableSearch: false,
                enableFilter: false,
                enabled: true,
                width: 300,
                menuHeight: 200,
                leadingIcon: Icon(Icons.add),
                trailingIcon: Icon(Icons.abc),
                selectedTrailingIcon: Icon(Icons.send),
                label: const Text('label'),
                hintText: 'hintText',
                helperText: 'helperText',
                textStyle: TextStyle(color: Colors.blue),
                errorText: selectedOption2 == OptionLabel.optionError
                    ? 'errorText'
                    : null,
                onSelected: (OptionLabel? option) {
                  setState(() {
                    selectedOption2 = option;
                  });
                },
                menuStyle: MenuStyle(),
                dropdownMenuEntries: OptionLabel.values
                    .map<DropdownMenuEntry<OptionLabel>>((OptionLabel option) {
                  return DropdownMenuEntry<OptionLabel>(
                    value: option,
                    label: option.label,
                  );
                }).toList(),
              ),
              if (selectedOption2 != null)
                Text('You selected: ${selectedOption2?.label}')
              else
                const Text('No option selected.'),
            ],
          ),
        ),
      ),
    );
  }
}

このコード例では、DropdownMenuの様々なカスタマイズ可能なプロパティを利用しています。以下にそれぞれのカスタム項目について簡単に説明します:

  • requestFocusOnTap: このプロパティがtrueに設定されている場合、ドロップダウンメニューをタップしたときにフォーカスを要求し、仮想キーボードを表示します。これにより、ユーザーが検索やフィルタリングを行いやすくなります。
  • enableSearchenableFilter: これらのプロパティをtrueに設定すると、ユーザーはテキスト入力を使ってリスト内を検索したり、表示される項目をフィルタリングすることができます。これにより、長いリストから選択する際のユーザビリティが向上します。
  • label, hintText, helperText, errorText: これらのテキスト関連プロパティを通じて、ドロップダウンメニューのラベル、ヒントテキスト、ヘルプテキスト、エラーテキストをカスタマイズできます。これにより、ユーザーに対してより多くの情報を提供し、操作をガイドすることができます。
  • leadingIcon, trailingIcon, selectedTrailingIcon: これらのアイコンプロパティを使用して、ドロップダウンメニューのテキストフィールドの前後にアイコンを配置できます。これにより、ビジュアルデザインを強化し、ユーザーの注意を引くことができます。
  • width, menuHeight: ドロップダウンメニューの幅と高さを指定することができます。これにより、異なるデバイスや画面サイズに対応し、ユーザーインターフェースのレイアウトを最適化することができます。
  • textStyle, menuStyle: テキストスタイルとメニュースタイルをカスタマイズすることができます。これにより、アプリケーションのブランドやデザインガイドラインに合わせて、見た目を調整することができます。