【Flutter】PhysicalModel入門!リアルな影を追加

対象者

  • Flutterを学び始めているが、PhysicalModelというウィジェットの詳細や利用方法について深く知りたい方。
  • モバイルアプリ開発の経験はあるものの、Flutterにおける立体的なUIデザインに挑戦したい方。
  • 既存のアプリのUIをPhysicalModelを利用してリッチにする方法を探している方。

はじめに

Flutterを学び始めたばかりのあなた、立体的なUIデザインに興味が湧いてきましたか?あるいは、あなたの既存のアプリのUIをもう一段階上げる方法を探していますか?そんなあなたに、PhysicalModelというウィジェットの魅力と活用方法について深く探るチャンスがここにあります。この記事を通じて、PhysicalModelの基本を学べます。
PhysicalModel というのは、日本語で「物理的モデル」という意味です。プログラムの世界では一般的に「物理的な属性や振る舞いを模倣・表現するモデル」ということを示します。Flutterにおいては「立体的な影や形状を持つUI要素を表現する」ウィジェットです。そのため、ユーザーインターフェースに物理的な深みやリアルな影を追加することができます。
実際のアプリとしては、カードウィジェットの浮き出し効果や、ドロップシャドウを持つボタンなどと行ったケースに「立体的で自然な影」を実現することができます。

PhysicalModelとは?

PhysicalModelの概要

Flutterには様々なウィジェットがありますが、この記事ではPhysicalModelをご紹介します。これは、特定の形状に子ウィジェットをクリップし、その形状のベースに影を生成するウィジェットです。
これは、Flutterのアプリケーションでリアルな影や非四角形のデザインを追加するための最適な方法です。具体的には、カードのような四角形だけでなく、円や他の形状にも適用できます。

WidgetとRenderObjectWidgetの関係

PhysicalModelWidgetRenderObjectWidgetを継承しています。これには理由があります。WidgetはFlutterの中心的な概念であり、画面上の各要素を表します。一方、RenderObjectWidgetは、実際の描画を担当するRenderObjectを返すウィジェットのクラスです。

PhysicalModelがこれらを継承していることで、物理的な特性を持つウィジェットを作成し、それを効率的にレンダリングすることが可能になります。
RenderObjectWidgetは再利用可能な描画オブジェクト、つまりRenderObjectを提供します。これにより、物理的な特性を持つウィジェットを効果的に描画することができます。[1] 考え方としては、RenderObjectWidgetが実際の描画の「レシピ」のようなものを提供し、RenderObjectがそのレシピに従って描画を行うというイメージです。

PhysicalModelの主な特性

FlutterのPhysicalModelウィジェットは、物理的な特性を持つことから名付けられました。このウィジェットを使うと、形状や影、ボーダーの角の半径など、さまざまなデザイン要素を自由にカスタマイズできます。以下、具体的な特性について詳しく説明します。

影の投影と形状によるクリップ

PhysicalModelの強力な特性の一つは、形状に応じて影を投影する能力です。また、特定の形状に子ウィジェットをクリップすることも可能です。
物理ベースのデザインはユーザーインターフェースの要素に立体感や奥行きを持たせるために重要です。リアルな影は、物体の形状や光源の位置に応じて変化します。

PhysicalModel(
  color: Colors.white,
  shadowColor: Colors.black,
  shape: BoxShape.rectangle,
  elevation: 10.0,
  borderRadius: BorderRadius.circular(10),
  child: Container(
    color: Colors.blue,
    width: 100,
    height: 100,
  ),
)

borderRadius、color、elevationの詳細

PhysicalModelには、物体の形状やその他の物理的特性を調整するための様々なパラメータがあります。これにより、リアルな効果を得ることができます。
borderRadiusを使うことで、物体の角の丸みを調整できます。colorは物体の主要な色を指定するのに使用され、elevationは物体の高さを模倣するために使用されます。

PhysicalModel(
  color: Colors.green,
  elevation: 20.0,
  borderRadius: BorderRadius.circular(20),
  child: Container(
    width: 100,
    height: 100,
  ),
)

shadowColorとそのカスタマイズ方法

shadowColorは、物体が投影する影の色を指定するためのパラメータです。これを使うと、異なる光の条件下での物体の反応を模倣することができます。
異なる環境や光の条件下での影の色は変わる可能性があります。このような微妙な変化は、アプリケーションのリアルな外観に寄与します。

PhysicalModel(
  color: Colors.white,
  shadowColor: Colors.red,
  elevation: 10.0,
  shape: BoxShape.circle,
  child: CircleAvatar(
    backgroundColor: Colors.yellow,
    child: Text('B'),
  ),
)

PhysicalModelのコンストラクタについて

FlutterのPhysicalModelは、物理的特性を模倣することでリアルなUIデザインを可能にします。しかし、このウィジェットを適切に使用するためには、コンストラクタのパラメータについて理解することが不可欠です。

コンストラクタの基本的なパラメータ

PhysicalModelのコンストラクタには、物体の見た目や振る舞いを制御するためのいくつかの基本的なパラメータが存在します。
これらのパラメータを理解し、適切に組み合わせることで、求めるデザインや効果を実現することができます。

shapeとclipBehaviorのデフォルト値

デフォルトでは、shapeの値はBoxShape.rectangleとなり、clipBehaviorClip.hardEdgeとなります。これらのデフォルト値は、一般的な使用ケースで最も一般的な設定として提供されています。

特にパラメータを指定しない場合、以下のようなコードは四角形の物体を作成します。

PhysicalModel(
  color: Colors.green,
  child: ...
)

colorとshadowColorの重要性

colorPhysicalModelが持つ主要な色を定義しますが、shadowColorは物体が投影する影の色を指定します。
物体とその影の色の違いは、リアルなデザインを作成する上で極めて重要です。異なる色の設定は、異なる環境や光の条件を模倣するのに役立ちます。

実例:

PhysicalModel(
  color: Colors.blue,
  shadowColor: Colors.red,
  elevation: 10.0,
  shape: BoxShape.circle,
  child: ...
)

Q&A

Q: PhysicalModelは何のためのウィジェットですか?

A: PhysicalModelは、FlutterのUIで立体的な表現を行うためのウィジェットです。影やクリッピングといった物理的特性を手軽に追加するのに役立ちます。

Q: PhysicalModelの利用のメリットは何ですか?

A: PhysicalModelを利用することで、簡単かつ効率的にマテリアルデザインの物理的特性、特に影やクリッピングをUIに適用することができます。この仕組みを使用すると、立体的なUI表現が手軽に実現できるようになります。

Q: WidgetRenderObjectWidgetの関係性とは何ですか?

A: Flutterの核心的なアーキテクチャには、WidgetRenderObjectWidgetの関係性があります。Widgetは変更があるたびに再構築され、RenderObjectは実際の描画処理を効率的に担当します。この組み合わせにより、Flutterは高効率で美しいUIを実現しています。

まとめ

FlutterでのUIデザインにおいて、立体感や奥行きを持たせるためのツールとして、PhysicalModelが存在します。このウィジェットは、特定の形状に子ウィジェットをクリップし、その形状のベースに影を生成する役割を持っています。立体感を持たせるための影や、非四角形のデザインの追加に最適です。

コード例では、colorやshadowColor, elevationなどのパラメータを活用し、さまざまなデザイン効果を実現する方法を紹介しました。また、PhysicalModelのコンストラクタの基本的なパラメータやデフォルト値、その重要性についても触れました。

全体として、FlutterのPhysicalModelは、リアルなUIデザインを追求する上での強力なツールとなることが理解できました。

参考

ソース(main.dartにコピペして動作確認用)

import 'package:flutter/material.dart';

void main() {
  runApp(const MyApp());
}

class MyApp extends StatelessWidget {
  const MyApp({Key? key}) : super(key: key);

  @override
  Widget build(BuildContext context) {
    return MaterialApp(
      title: 'Flutter Demo',
      theme: ThemeData(
        useMaterial3: true,
      ),
      home: const MyHomePage(title: 'Flutter Demo Home Page'),
    );
  }
}

class MyHomePage extends StatefulWidget {
  const MyHomePage({Key? key, required this.title}) : super(key: key);

  final String title;

  @override
  State<MyHomePage> createState() => _MyHomePageState();
}

class _MyHomePageState extends State<MyHomePage> {
  @override
  Widget build(BuildContext context) {
    return Scaffold(
      appBar: AppBar(
        title: Text(widget.title),
      ),
      body: Column(
        children: [
          PhysicalModel(
            color: Colors.white,
            shadowColor: Colors.black,
            shape: BoxShape.rectangle,
            elevation: 10.0,
            borderRadius: BorderRadius.circular(10),
            child: Container(
              color: Colors.blue,
              width: 100,
              height: 100,
            ),
          ),
          const SizedBox(height: 8),
          PhysicalModel(
            color: Colors.green,
            elevation: 20.0,
            borderRadius: BorderRadius.circular(20),
            child: Container(
              width: 100,
              height: 100,
            ),
          ),
          const SizedBox(height: 8),
          PhysicalModel(
            color: Colors.white,
            shadowColor: Colors.red,
            elevation: 10.0,
            shape: BoxShape.circle,
            child: CircleAvatar(
              backgroundColor: Colors.yellow,
              child: Text('B'),
            ),
          )
        ],
      ),
    );
  }
}